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シーメンスPLM、モデリングツール「Femap」の新バージョンを12月にリリース
シーメンスPLMソフトウェアは10月18日、都内で自社の有限要素法用モデリングツール「Femap」に関する説明会を実施した。
FemapはCADやソルバに依存しない実際の構造を正確かつ効率的にモデル化するWindowsベースの高効率メッシングツールで、ジオメトリの作成/修正から、有限要素モデルの作成、ポスト処理までの一連の作業を統合して行なうことができる。また、パラソリッドモデリングカーネルを採用しているため、追加でCADを購入する必要はない解析ができるほか、APIとして提供されるため、サードパーティ製品に搭載することも可能となっている。
Siemens Product Lifecycle Management SoftwareのMark A. Sherman氏は「市場においてシミュレーションは設計におけるコスト削減や製品の市場投入期間の短縮、信頼性向上などを目的とした故障解析、設計最適化による材料費の削減やより安価な材料への代替検討などで用いられるようになっている」とさまざまな要因から、シミュレーションを活用しようとしているカスタマが増大していることを強調する。
Femapの開発スタッフは全員が技術者であり、エンドユーザーのためにどういったものが必要か、といったことを理解したうえで新機能などの開発が進められているという。「Femapのキャッチフレーズは”Real FAE Made Easy”であり、解析を設計ステージに近づけることで、市場投入期間を短縮することができ、イノベーションを加速することが可能になる」(同)と、その効果を説明するほか、「3日間の標準トレーニングを受けるだけで、現場で活用することが可能になる」と容易な操作性で、教育負担も少ないことをアピールする。
Femapの最新バージョンは2012年1月にリリースされた「v10.3.1」で、2012年12月にはメジャーアップデートとなる「v11」のリリースが予定されている。
10.3では、3Dジオメトリ自動準備機能が新たに搭載されたほか、機能拡張されたフリーボディ・ツールがポストプロセッシング・ツールボックスに収められたため、フリーボディ・ダイアグラム(自由体図)やインタフェース荷重など、解析結果を詳細にレビューすることができるようになった。v11では、最近のモデルサイズの増大化への対応などが図られることとなる。
FemapはCADやソルバに依存しないため、さまざまな3次元CADやソルバに対応可能
例えば、ソルバの解析結果を含めないことで「modfemファイル」(解析モデル)の最小化を図るほか、データベースに結果をキャッシュしないことでメモリ使用量の最小化が図られる。これにより必要なソルバの結果だけをmodfemファイル内に保存可能となるが、必要なデータはmodfemファイルに含むことも可能だ。また、modfemファイルに含まれない(外出しされた)結果と、ファイル内の結果の双方を維持することも可能となるという。
v11を自社内でテストで測定してみたところ、現行バージョンであるv10.3.1に比べて相当な高速化などが確認されたという