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ビジネスの好機 米加州と日本、環境技術で覚書

 ビジネスの好機 米加州と日本、環境技術で覚書

 

  2014年9月5日、日本政府は約3880万人の人口と約235兆円の国内総生産(GDP)を持つ「政府」と、環境関連技術での協力拡大に向けた覚書を交わした。相手は国ではなく、カリフォルニア州政府。両政府は気候変動の危険性を認識して、高速鉄道や電気自動車(EV)、再生可能エネルギーなどの分野で協力することで同意した。エネルギー貯蔵、排出ゼロ自動車(ZEV)、電動自動車の給電インフラ、水の節約技術なども含まれる。

 ■環境負荷減らす21世紀型インフラ技術を開発

 

 カリフォルニア州には米テスラ・モーターズなど環境関連企業も多い(イーロン・マスク最高経営責任者)

  筆者の周りには、日米のビジネス環境について観察しているビジネスマンが多い。両政府が覚書を交わしてから約半年が経つが、その存在を知っている人が少ないのは残念だ。

  覚書の意味は、日本とカリフォルニア州は21世紀に求められるインフラを構成する技術の実現で協力する、ということだ。今世紀に入って、中国やインドなど発展途上国の経済環境は改善の一途をたどっている。こうした国々は当然、先進国と同レベルの生活水準を目指す。だが、彼らの希望を満たすために、多くの環境危機を起こした20世紀のインフラ技術を利用することはもうできない。環境負荷を減らす21世紀が要求するインフラの技術開発には重要なビジネスチャンスが広がる。

  この分野で、カリフォルニアと日本が組むのは自然だ。天然資源が少なく人口が多い日本では「節約」という文化が根強い。福島の原子力発電所の事故が契機とはいえ、再生エネルギーを普及させる重要性も浸透した。何より日本の企業や大学には、21世紀型インフラが要求する基本の技術や製造ノウハウが豊富だ。

 ■米加州、20年までに電力の33%を再生可能エネに

  一方のカリフォルニア州は、かなり以前から環境活動に関心がある人々が米国の他の州に比べ多い。米連邦議会は環境規制や再生可能エネルギーへの投資に批判的な保守党が支配している。だがカリフォルニア州政府は20年までに電力の33%を再生可能エネルギーに切り替えるなどの政策を積極的に推進している。さらに、シリコンバレーならアップルやグーグルなどIT(情報技術)企業が、必要とする電力を再生可能エネルギーから得るために投資を積極化するなど、環境問題に関心が高い企業も多い。何より、シリコンバレーには、新しいテクノロジーを素早く市場で成功させるマーケティングのノウハウが豊富だ。

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