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動画で振り返る「Embedded Technology 2007」 (1) ARMプロセッサ搭載のLinuxボード
2007年11月14日(水)から16日(金)の3日間、組み込み技術に関する展示会およびカンファレンス「Embedded Technology 2007/組込み総合技術展」がパシフィコ横浜(神奈川県横浜市西区)で開催された。
21回目となった今回は、とくに「デジタルコンシューマ」「オートモティブ」「モバイル/ユビキタス」「FA/ロボティックス」の4つの分野にフォーカスしたものとなった。国内外の半導体ベンダをはじめ、OS、ミドルウェア、開発ツール、ボードコンピュータ、計測機器、設計会社などが最新の組み込み技術の展示やデモンストレーションを行った。
ここでは、その中からいくつかのブースをピックアップし、動画とともに最近の組み込み開発ソリューションを紹介する。
ARMプロセッサ搭載のLinuxボード – 三洋LSIデザイン・システムソフト
英ARMの日本法人であるアームのブースでは、同社と14社のパートナ企業がARMプロセッサや開発ツール、ボード製品などの展示を行った。
このうち三洋LSIデザイン・システムソフトは、3.5インチカラー液晶タッチパネル搭載の開発ボード、JTAGデバッガ、各種ケーブル、ソフトウェア(OS、デバイスドライバなど)を含むARMプロセッサの開発キット「K-Board」を展示した。また、オーディオ(MP3)や動画(H.264)の再生や、暗闇でもカラー映像を撮影できるCCDカメラを組み合わせた防犯カメラシステムのデモも行った。
開発ボードのプロセッサは、ARM926EJ-Sを採用した「LC690132A」(三洋半導体製)。ビデオ、オーディオ、USB、CCDカメラ、Ethernet、USB、SDメモリーカード、RS-232-Cといった各種インタフェースを備えている。OSはLinux(Kernel 2.6)。開発ボードは電源をONにすれば、すぐに起動する状態で出荷しているという。来年には、ハードウェアの回路図とソフトウェアのソースコードをオープンにする予定。
気になる価格は、99,800円(税別)。構成のわりにかなり安価といえる。担当者の話によると、このK-Boardは教育目的の開発キットで、はじめは社内研修用に開発したものである。すでに複数の大学や企業などから引き合いがあるという。また、開発や製品への採用といった目的での問い合わせも多いそうだ。
ARMといえば、携帯電話や携帯音楽プレーヤなど、身近にある数多くの組み込み機器に採用されている。「K-Board」のデモでは、オーディオや動画がスムーズに再生されていた。担当者によると、「ARM926EJ-Sのパワーを使えば、ソフトウェア処理だけでこれだけのことができる。これがARMのすごいところ」という。