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昭和電工、樹脂複合材用カーボンナノチューブの量産を開始
昭和電工は3月19日、2009年から大分コンビナートにおいて進めてきた同社の樹脂複合材用カーボンナノチューブ(CNT)「VGCF-X」製造設備の新設工事が完了、竣工式を執り行ったことを発表した。同設備は試運転後、2010年4月から年産400t規模の量産を開始する予定。
VGCF-Xの生産設備
同設備は、同社のCNT製造拠点としては1996年に操業を開始した川崎事業所に続き2拠点目。生産されるVGCF-Xは、同社が培ってきた無機技術により開発された高い導電性能と分散性を有するCNTで、少量の添加により樹脂に近い帯電防止性能を安定して付与することが可能だ。
VGCF-Xは電子部品工場のクリーンルームで使用される搬送器具の材料樹脂に添加され導電性を付与することにより、静電気の発生を抑えることが可能だ。半導体線幅の微細化やハードディスクの高記録密度化によりクリーンルーム内の清浄度の向上が必要であることから、使用される搬送器具においても静電気の発生がない機能性が求められており、同材料は少量の添加で安定性の高い帯電防止性能の付与を可能とすることから、すでにカスタマから高い評価を受けているという。
また、VGCF-Xを樹脂などに添加することで材料の弾性や靭性が向上することから、強度が求められる輸送機器部品などの用途への展開も期待されており、同社でも今後もリチウムイオン電池、樹脂複合材用途のほか、新たな用途開発を進めていくとしている。
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樹脂複合材リチウムイオン電池正負極用添加剤ゴム・樹脂複合材
少量の添加で安定した導電性を発現電池のサイクル特性(耐久性)向上 易分散性。複合材の耐久性向上、高熱伝導率の付与
昭和電工のカーボンナノチューブ「VGCF」のグレード