仕事で役立つ人気ビジネスアプリおすすめ!
[PR]
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
時代にそぐわぬ「院政文化」 後進に権限委譲せよ
日本には院政という言葉があります。権力者が現役を退いても組織に対し強い影響力を持ち続ける文化は、900年以上日本に脈々と受け継がれ、時代の変化にそぐわない様々の悪影響を及ぼしているようです。
たとえば相談役というポスト。英語には相談役を直訳する言葉は存在しません。「What is 相談役?」です。隠居した老人に現役でバリバリ活躍している世代が何を相談しているのか。米国の企業文化の中で育ってきた人間には意味不明な存在に映ります。相談役の一喝で商談が白紙に戻されるような事例も見聞きします。
昇進する日本人の条件は「失敗しないこと」です。多くの日本企業では、社長に実質的な権限は付与されません。会長や相談役や株主の顔色をうかがう「サラリーマン社長」の何と多いことでしょう。私はガマンにガマンを重ねて出世してきたサラリーマン社長が現役を退いて相談役になって以降、イキイキと権力を発揮して現場の人間に自由に口出しするようになった事例をいくつも目にしました。
米国では、引退した人間が現場に口出しするのは明らかなバッドマナーと考えられています。ビル・ゲイツ氏が米マイクロソフトの最高経営責任者(CEO)の座を退いた後、後任のスティーブ・バルマー氏に少しでも批判的な意見を口にしたでしょうか。米国の大統領は、任期を終えると政治家としても引退します。最高権力の座に一度でも登った人間が現場に残ると混乱をもたらすからです。
院政の最たる問題は、権限が委譲されないことにあります。鶴の一声による「ちゃぶ台返し」が繰り返される現場では、後進が育つこともイノベーションが生まれることもありません。古いルールの踏襲が優先され、現場の判断や目新しいアイデアが軽視されてしまうのです。