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遺伝子改変ツール「ゲノム・ナイフ」でワインの二日酔いがなくなる?
歓送迎会などお酒の集まりが多い時期のひとつである年度末、年度初めだが、酒量が増えると怖い翌日の二日酔い。この悩みを解消するための研究が取りざたされている。
先日アメリカの研究者がワインに利用する酵母を操作し、健康への恩恵を増加させ、それと同時に二日酔いの頭痛の原因となる有毒な副産物を減少させることに成功したというのだ。
■ 不可能だった操作を可能にした『ゲノム・ナイフ』メソッド
イリノイ大学の准教授Yong-Su Jin氏は、微生物学に関する学術専門誌の最新号に掲載された論文で、ワインやビールといった醸造酒に使われる出芽酵母を変形することに成功したと発表。
これにより栄養成分の価値を向上させることが可能になるうえ、朝の気分の悪さや二日酔いの改善にもつながると説明している。
同氏によると、発酵した種類に使われる酵母は倍数性を持ち、遺伝子上の操作が難しかったという。というのも、仮に酵母ゲノムのコピー遺伝子を一部を変形させても、手が加えられていないコピー遺伝子が変形させた部分をすぐに元に戻してしまうためだ。そこで今回の研究で活躍したのが『ゲノム・ナイフ』という方法だ。
■ 多数ある遺伝子のコピーをすべて正確に切断
Jin氏の研究グループが採用した『ゲノム・ナイフ』は、ある特定の核酸とタンパク質によって、ゲノム内にある目標とする遺伝子のコピーすべてを正確に切り取ることができる最新の遺伝子改変ツールだという。これにより、代謝性の出芽酵母を正確に切断することに成功した。
これまでは、遺伝子の改変には“抗生物質抵抗性マーカー”が利用されることが多かったが、薬剤耐性を成長させる危険性から食べ物への利用には反対の声もあったという。しかし、『ゲノム・ナイフ』を採用すれば、正確かつ効率的にゲノムを切断することが可能で、そのため遺伝的事象を確証するのに抗生物質マーカーを利用する必要もなくなるということだ。
近い将来、体に良い成分を増進させ、二日酔いになりにくいワインとして実用化されるかは不明だが、もし実現されれば、翌日の頭痛を気にせず心ゆくまでワインを味わえる日がくるのかもしれない。
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