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明石家さんま26年ぶり土曜夜に フジ失地回復策は吉と出るか
視聴率低迷にあえぐフジテレビが4月、土曜夜のお笑い番組をスタートさせ、その司会を明石家さんま(59)に託したことが話題だ。さんまがフジの土曜夜に出演するのは「オレたちひょうきん族」以来、実に26年ぶり。さんまを起用して「全盛期の夢よ、もう一度」ということだろう。
番組は土曜夜11時10分からの「さんまのお笑い向上委員会」。芸人をゲストに招き、どうすればもっと売れるか、さんまの音頭取りでアイデアを出していく。
女性誌芸能デスクは「いまだに潜在視聴率がトップクラスで、ゲストやタレントのイジり方が抜群にうまい、さんまならではの笑いが期待できます」と言うのだが、続けてこんな指摘も。
「この企画の原案は『FNS27時間テレビ』で放送された『明石家さんまの大反省会』(13年)、『向上委員会』(08年)の合体。2つのコーナーの焼き直しとの印象は拭えませんね。かつて、80年代当時のフジテレビは斬新な企画、奇抜な番組を深夜枠で流し、そこで話題になったものをゴールデンタイムに昇華させたりしていたけど、このところ、ダブル浅野や『ナースのお仕事』を復活させたりもしている。全盛期の勢いを取り戻すというのなら、かつてのチャレンジ精神を取り戻すのが復活の早道ではないでしょうか」
今春の改編期へ向け、ほかに平日昼の帯番組「直撃LIVE グッディ!」などをスタート、一方で「超潜入!リアルスコープハイパー」(土曜夜7時)の打ち切りを決めるなど、失地回復に躍起の亀山千広社長(58)は27日の定例会見で、「TVはライブ感がないとダメ。視聴者と一緒に呼吸をして、TVも生き物なんだと、つくっている局員も理解していくのが大事」と持論を展開していた。
さんまで失地回復といくか。フジにとっては正念場だ。クリント・イーストウッド監督の「アメリカン・スナイパー」が大ヒットしている。2月21日から公開され、土日2日間で興収3億3000万円を記録。これは邦画と洋画を合わせた今年最高のオープニングだ。最終的に20億円を超える可能性もある。
2003年に始まったイラク戦争に参戦した米国人狙撃手の話である。幼い頃から米国風のタフな生き方で育てられた主人公は率先してネービーシールズ(海軍特殊部隊)に入る。戦場でも狙撃手という“安全地帯”にとどまることがいたたまれず、危険な地上戦に参加してしまうほど愛国心が強い男だ。
しかし、200人近くを銃撃で倒し、幾度となく戦場に出かけるうちに精神を病んでいく。米国に帰り、子どもたちと不安定な精神状態で拳銃遊びに興じるシーンは、悲惨極まる戦場以上に戦争の恐ろしさが描かれ、体が震えてしまった。
日本での大ヒットの背景には、単純な愛国心や戦闘シーンの迫力を超えて、戦争のおぞましさや恐ろしさが念入りに描かれているのが大きい。人質が殺害された「イスラム国」の問題も関心の度合いを高めた。今回の事件で日本人が切実に戦争を自身の問題として考えたから当然だが。
先に開催されたアカデミー賞では主要な賞の受賞はなかった。愛国心一本やりの作品ではなかったことが、投票を得られなかった理由かもしれない。見方を変えれば、受賞できなかったことがむしろイーストウッドの誇りではないか。今年見るべき映画の1本である。
(映画ジャーナリスト・大高宏雄)