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照ノ富士が6連勝 戦後初の快進撃 「大器」の底知れぬ不気味さ

照ノ富士が6連勝 戦後初の快進撃 「大器」の底知れぬ不気味さ

まだ上位との対戦がないとはいえ、初日から無傷の6連勝。感想を問われて「普通」と平然と言い放つあたり、勝ち気な照ノ富士らしい。新三役では東富士以来71年ぶり、戦後初の快進撃だ。

 北の湖理事長(元横綱)は「良い形になっての攻め方はまだ見られない。守勢になってからの勝ちばかり」とみる。確かに目立つのは191センチ、180キロと恵まれた体格に頼った雑な取り口ばかり。だが、そのことが逆に潜在能力の高さを印象づけている。

 この日も荒々しかった。立ち合いの踏み込みに厳しさを欠き、栃煌山にもろ差しを許す。寄りをこらえるための小手投げは苦し紛れ。万事休すかと思われたが、腰の重さで何とか残し、相手が左前まわしを狙いに来たところを逃さず、巻き替え。右を差しこみ、逆転の寄りで三役常連の実力者を退けた。

 注目を集める逸ノ城は互いに意識し合う存在だ。同じ飛行機でモンゴルから来日し、鳥取城北高の寮の同じ部屋で生活した。2歳下の後輩に三役昇進では先を越されたが、追いついた。「いま上がったり、下がったりしても意味がない。誰が大関に上がるかが大事」と大きな目標に向け、足踏みするつもりはない。

 ふがいない大関陣をよそに、23歳の大器が底知れぬ不気味さを春の大阪で醸し出している。(藤原翔)

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