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大塚家具「父VS娘」メディアでPR合戦 個人株主の動向がカギ
父と娘が経営権を争う大塚家具の株主総会が27日に迫った。総会では大塚久美子社長(47)が会社側の議長として取り仕切り、創業者で父の勝久会長(71)は株主提案者として会場に乗り込み、それぞれの人事案に賛同を募る。お家騒動が表面化して以降、公の場では初の直接対決となるが、個人株主の動向が勝敗を決するとの見方もあり、双方のメディアを通じた空中戦も激しさを増している。
総会では、会社側が久美子氏や次男の雅之氏(38)ら10人を取締役候補とする人事案などを提出、株主提案では、勝久氏や長男の勝之氏(45)ら別の10人を取締役候補としており、両案が激しくぶつかり合っている。
代表取締役会長の勝久氏は本来なら会社側の人間として久美子氏らとともに壇上に並ぶはずだが、今回は「株主として参加すると聞いている」(会社側関係者)。
総会で勝久氏は株主提案した自身の人事案について説明する一方、会社側の議案について久美子氏に問いただす場面もありそうだ。質問者を指名するのは久美子氏だが、「大株主である勝久氏に質問の機会が与えられると考えている」と勝久氏側関係者は語る。
総会を前にした委任状争奪戦(プロキシファイト)はきわどい勝負となっている。
勝久氏は昨年末時点で約18・9%を保有する筆頭株主。妻の千代子氏の約2・0%、弟の春雄氏の約2・8%も勝久氏側に付くとされる。このほか、家具メーカーなど55社が加盟する家具経済同友会の有志が勝久氏を支持する内容の文書を発表、関係者によると、3%程度の株を保有するといい、26%程度を固めた可能性がある。
一方、約3・0%を保有する従業員持ち株会は「自由投票」という形になった。
久美子氏側とみられるのは、大塚家の資産管理会社、ききょう企画が約10・2%、約10・3%を保有する米投資ファンドのブランデス・インベストメント・パートナーズ。ブランデスは3月に入って半数以上を売却したが、議決権は残っている。
さらに久美子氏側は海外の議決権行使助言会社2社から支持を得たと発表。約6・2%を保有する日本生命保険や、約3・4%を保有する東京海上日動火災保険など国内の大株主も追随すれば久美子氏側が優位に立つが、勝久氏側は「助言会社はあくまでも海外の投資家のためのもので、国内の大株主は独自に判断を下すはずだ」と反論する。
「最終的には2割弱の議決権を持つ個人株主がどちらを選択するかが総会のカギを握っている」(準大手証券)という展開も予想されるなか、勝久氏側はウェブサイトを開設して自らの主張を説明、株主にも直接連絡して賛同を募っている。
久美子氏側は個人株主向けの説明会を開催。さらに双方はメディアでのインタビューなどにより徹底的な情報発信を重ねてきた。
「久美子氏が広報・IRコンサルティング会社を立ち上げた当時から親交があり、敵対的TOB(株式公開買い付け)やM&A(合併・買収)案件で経験豊富なコンサルティング会社が指南役についている。勝久氏側にも、IR(投資家向け広報)の専門企業がアドバイスにあたっている」(市場関係者)という。
情報発信は、自らの経営方針の正しさを強調するものから互いを激しく攻撃する内容のものまで、ノーガードの打ち合いの様相を呈している。
父と娘の戦いが表面化した2月25日から戦いは約1カ月が経過した。あるM&Aのコンサルタントはこう指摘する。
「弁護士事務所やファイナンシャルアドバイザー、PR会社などに費やす費用は、1カ月で数千万円かかっていてもおかしくない。配当を増やしたといっても、最も恩恵を受けるのは大株主の創業家とあっては投資家は冷めてしまう。対立を表面化させても評判を落とすばかりでは、双方にとって良くないのではないか」
27日の決戦でどちらが勝っても泥沼の争いは終わりそうにない。