＜選抜高校野球＞何度も得点圏に…遠かった本塁 東海大四

　

　第８７回選抜高校野球大会は１日、阪神甲子園球場で決勝があり、２年ぶり６回目出場の敦賀気比（福井）が、１４年ぶり６回目出場の東海大四（北海道）を降し、初優勝を果たした。
　
　○敦賀気比（福井）３−１東海大四（北海道）●
　
　　体を投げ出して合わせようとしたバットの先を、白球が通り過ぎて行く。１−１で迎えた八回無死二、三塁。東海大四の大沢は２球目にスクイズを試みたが、外角に大きく外されて空振り。飛び出した三塁走者がアウトになり、大沢は「相手バッテリーが一枚も二枚も上だった」と悔やんだ。
　
　　打つか、バントか。この場面、大脇監督は大沢に判断をゆだねた。準決勝まで６割近い打率を残し、この日も１安打していながらスクイズを選んだ大沢は「どうしても１点が欲しかった」。だが、２死二塁となった後の立花の一塁への痛烈な当たりも好守に阻まれ、試合の流れを引き寄せられなかった。
　
　　東海大四は五回以降、毎回得点圏に走者を進めながら、あと一押しできなかった。七回には先頭の渡瀬が安打を放つと、続く冨田がバスターを成功させるなどベンチも動いた。だが、七回を含めて４度の得点機でいずれも凡退した３番・山本が「真っすぐの切れが想像以上だった」と振り返ったように、勝負どころで敦賀気比・平沼に力負けした。
　
　　５試合でわずか６失点。準決勝では安打数で相手を下回りながら、昨秋の明治神宮大会でコールド負けした浦和学院に雪辱した。投打の大黒柱・大沢を中心とする堅守という持ち味は存分に発揮した。それでも、大脇監督は「優勝するまで、これでいいと思うことはない。バントなどの精度をもっと上げないと」と、頂点への再挑戦を誓った。【野村和史】