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桜を愛する日本人・・・「もののあわれ」、「武士道」、「大和ごころ」=中国メディア
国営新華社系のニュースサイト新華網は24日付で「毎年3月末から4月初旬にかけて、東京の全域が、鮮やかに輝く桜の雲で覆われる」として、「日本人はなぜ、そこまで桜を愛するのか」と題する記事を発表。同記事は日本人の「もののあわれ」や「武士道」、「大和心」にも言及した。
記事は、「日本人が桜を熱愛する様子は、外国人には想像すら困難」と説明。清朝末期の外交官で詩人でもあった黄遵憲も日本に滞在した際に、桜に対する日本人の熱狂ぶりを「驚嘆した」という。
記事は、「夜桜」や「桜吹雪」の素晴らしさにも触れた。さらに、日本人は桜の品種改良を続け、江戸時代末期までに桜の品種は300種、現在では600種に達したと伝え、現在の代表的品種は江戸時代末期に登場したソメイヨシノと紹介した。
日本人が桜を愛する理由としてはまず、「短い期間咲き誇り、突如散る。これことが特に日本人の情緒にぴったりだった」とした。さらに、本居宣長の短歌「敷島の大和心を人問はば、朝日に匂ふ山桜花」を例に、桜は「もののあわれを基調とする日本人の心」に合致したと説明。また「武士道精神は“犬死に”を最も恐れる。満開になった瞬間に散っていく桜は、日本の武士が追い求めた『はなばなしく生き、壮烈に死ぬ』精神のたとえとされた」と紹介した(解説参照)。
文章は、東京の青山墓地を例として、日本の多くの墓地には桜が植えられていると指摘。「桜の花の下で死にたいという、日本人の願望に対応している」との考えを示した。
また、「日本の皇室のシンボルは菊の花だが、小中学校、商業学校、警察、自衛隊などで桜が紋章として使われている場合が極めて多い」と指摘。桜について、「花ひとつひとつは淡泊平凡。しかし、全体が組み合わされれば壮観な花の海になる。これは集団主義でである日本文化にも合致している。日本人は集団の中で個性を突出させることがないが、凝縮力は極めて強く、集団全体として巨大なエネルギーを秘めている」と論じた。
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◆解説◆
上記記事の筆者は「武士と犬死」については誤解している可能性がある。出典は江戸時代中期の書物である「葉隠」と見られるが、同書は、武士として死ぬべき時に、「犬死にとなるのでは」と心配することを「思い上がり」と否定している。
ただし中国では多くの場合、日本の武士道を「軍国主義の根源」として強く非難するが、上記記事は武士道を否定していない。…