大震災の「津波資料館」壊される…高校生ら修復

　

　東日本大震災の津波資料館「潮目」（岩手県大船渡市三陸町越喜来）の窓ガラスや扉が壊されていたことがわかった。

　　地元の高校生らが手伝って１２日に修復し、全国から寄付を受けたこいのぼり約２０匹を掲げた。

　　管理する片山和一良（わいちりょう）さん（６４）が１１日午後３時過ぎ、木造３階の建物の扉や、震災で止まったままの時計が壊されているのを見つけた。９日午前まで異常はなかったという。

　　潮目は、建設会社社長の片山さんが２０１２年７月に震災で出たがれきの木材を使って建てた。震災の写真などを展示していた。滑り台やブランコも作り、子供たちの遊び場として親しまれている。

　　片山さんは「どういう気持ちでこんなことをしたのか」と憤りを見せたが、「犯人捜しをする気はない」とし、警察に被害届は出さないという。

　　修復を手伝った大船渡高校２年生は「震災から時間がたち、当時の気持ちが薄れてきてしまったのでしょうか」と残念そうに話していた。