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<JR東>山手線9時間不通…線路に柱倒れ 41万人影響
12日朝、東京都千代田区のJR山手線神田−秋葉原駅間で、架線を支える線路脇の「電化柱」1組が倒れ、1組が傾いているのが見つかった。復旧作業のため、山手線と、並行して走る京浜東北線の2線が9時間以上不通になり、715本が運休するなど約41万人に影響した。2日前の10日夜、JR東日本の社員が問題の2組の電化柱が傾いているのを確認していたが対処する前に倒壊した。うち1組は先端が山手線(内回り)のレールに接触しており、大事故につながる可能性があった。
◇列車通過3分前に通報
関東運輸局は12日、JR東に原因究明と再発防止を求める警告書を出した。JR東は同日夜、管内の全電化柱の緊急点検を始めた。
JR東によると、見つけたのは京浜東北線(北行)の運転士。午前6時10分ごろ、千代田区神田須田町2付近を通過中、倒壊に気付き、異常を知らせるボタンを押し、近くの全列車が自動停止した。当時山手線は運行を開始しており、次の内回り列車は約3分後に通過予定だった。倒壊直後に運転士が異常に気付いたため、事故を免れたとみられる。
電化柱は高さ約7メートル、直径約20センチ、重さ約1.3トンの鋼鉄製。2本で1組になっていて数十メートルおきに並んでいる。現場では、1組が傾き、支線で結ばれたもう1組が横倒しになり、山手線の線路に掛かっていた。倒れた電化柱はいずれも2001年に設置された。10日、現場近くの工事を担当していたJR東の社員らが問題の2組の電化柱が傾いているのに気づき、13日に垂直に戻し、後日撤去する予定だった。
3月25日、倒れた電化柱につながる構造物を撤去する工事を実施しており、JR東は関連を調べている。現場は秋葉原駅から神田方面に約250メートルの地点。13日は始発から平常運転する。
電化柱は架線を支える柱状の構造物。2組の電化柱の間に橋状の設備をかけ、橋状の設備に架線を通し列車に電気を供給する。【一條優太】
永瀬和彦・金沢工業大客員教授(鉄道システム工学)の話 倒れた電化柱は一部の部品を撤去しているといい、このため強度が低くなっていた可能性がある。傾くのは異常事態。すぐに対策を取るべきだった。倒れ方によっては大惨事になりかねなかった。