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「高果汁」チューハイ市場が活況 果実感のある本格味がトレンドに
「とりあえずビール」ではなく一杯目に飲むドリンクとして定着しつつあるチューハイやカクテル。毎年さまざまな製品が発売されているが、2015年のトレンドになりそうなのが「高果汁」チューハイだ。果汁の使用率が高く、生の果物や果汁の風味を楽しめると、人気が高まっている。
サントリーから2月に発売された「こくしぼり」は、果実や果皮を漬け込んだ「果実浸漬酒(しんせきしゅ)」でコクを出したのが特徴だ。混濁果汁などを「グレープフルーツ」は28%、「レモン&ライム」は11%、「オレンジ」は37%使用している。
大きく売り上げ伸ばすキリン「本搾り」
この「高果汁」チューハイのパイオニアと言えるのがキリンビールの「本搾り」だ。03年に登場したブランドで、「果汁とお酒だけ」で造ることにこだわった。リニューアル時にパッケージを一新し、果汁の種類やバランスを細かく見直したほか、果汁が多く成分が沈殿するので、飲む前にひっくり返すように伝える「逆さ缶」のマークを追加した。売れ行きは好調で、12年に179万ケース、13年に341万ケース、 14年に554万ケースとここ3年で大きく販売数を伸ばしている。
「本搾り」が支持される理由を、経済ジャーナリストの谷本有香さんは、
「消費抑制の傾向から外食の回数も減ってきている今、自宅用の缶の酒市場は今後も伸びていくとみている。そのような中、自宅食の延長としてではなく、外食できない代わりに『少し高いくらいなら、より良いものを選んで自宅で食べたい・飲みたい』という志向が圧倒的に強くなってきている。本搾りはその傾向にマッチした商品といえる」
と分析する。
また、トレンド総研の調査によると、お酒を選ぶときに重視するものとして、多かった回答は「あと味の良さ」(85%)、「香りの良さ」(79%)、「さっぱり感」(77%)、「フルーティさ」(66%)、「素材ありのままの味わい」(66%)などが続いた。缶チューハイを選ぶ基準でも、「フルーティ・果汁感のあるもの」(84%)、「甘味と酸味のバランスが良いもの」(82%)などとなった。
こうしたポイントが当てはまりそうなキリン「本搾り」に、サントリー「こくしぼり」がライバルとして参入したことで、「高果汁」チューハイ市場はさらに活発化しそうだ。<J-CASTトレンド>