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C大阪・山口&扇原、生え抜きのロンドン五輪代表に託されるクラブ再建 (1/3ページ) - サッカー - SANSPO.COM(サンスポ)
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1月20日に本格始動してから約2週間。1年でのJ1復帰を目指すセレッソ大阪は、2月2日から和歌山での第1次キャンプに入る。それを6日に打ち上げ、9~21日には宮崎での第2次キャンプを実施。中断期間のないタフなシーズンを走り抜けるフィジカル的なベースを作ると同時に、パウロ・アウトゥオリ監督の戦術を徹底。完成度の高いチームへと仕上げていく方向だ。
昨季シーズンオフには移籍が噂されたアカデミー生え抜きの山口蛍と扇原貴宏も、クラブ残留がほぼ確定し、J2の舞台でゼロから再起を賭けることになった。
彼らは2012年ロンドン五輪でU-23日本代表を4強へと押し上げたボランチコンビ。ご存じの通り、山口蛍は2014年ブラジルワールドカップで全試合出場を果たし、扇原貴宏もハビエル・アギーレ監督率いる新生・日本代表に招集された逸材で、2人の潜在能力の高さは誰もが認めている。2015年アジアカップ(オーストラリア)でも、同じロンドン世代中心のUAEやイラクが4強入りを果たしているだけに、彼らがJ2の舞台で埋もれてしまうわけにはいかない。この1年間で着実に力をつけ、近未来の日本代表をけん引していかなけれなならないのだ。
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とりわけ、山口蛍にとっての今季は、ケガからの復活に挑む極めて重要なシーズンと言える。ブラジルワールドカップで中盤のダイナモとして獅子奮迅の働きを見せた直後の昨年8月、彼はFC東京戦で右ひざ外側半月板を損傷。保存療法を選択してリハビリに専念し、9月中には復帰すると見られていた。ところが、実戦練習に戻るや否や、同じ箇所を痛めて手術を余儀なくされてしまった。この結果、シーズン中の復帰は叶わず、クラブは5年ぶりのJ2降格を突きつけられた。自ら志願してキャプテンに就任しながら、肝心なところで仕事のできなかった自分を、責任感の強い山口は責め続けたに違いない。
父・憲一さんの影響もあって、子供の頃からブラジルなど世界のサッカーを見て育った彼には、海外移籍という大きな夢があった。今年25歳という年齢を考えても、このタイミングで世界の扉を叩かなければ、外へ出るのは難しくなる。本人は悩みに悩んだことだろう。が、最終的には古巣の再建を優先した。それはキャプテンとしての強い責任感の表れに他ならない。山口蛍は人前で多くを語る男ではないが、信念は誰よりも強い。かつてJ2で目覚ましい活躍を見せてセレッソをJ1へと押し上げ、ドルトムント移籍を勝ち取り、日本代表のエースの座を手に入れた香川真司(ドルトムント)のように、まずは足元をしっかりと固めるところからスタートしようと彼は決心したはずだ。
1つ年下の扇原も、ヴィッセル神戸などからのオファーを断り、セレッソに残って戦うことに決めた。その決断に至るまでにはさまざまな葛藤があったに違いない。自分自身をより大きく成長させたいなら、J1あるいは海外へ出る方が近道だ。それでも彼は愛着の強いセレッソで出直そうと決めた。セレッソを再建してこそ、自分自身のキャリアを成功させられると考えたのだろう。
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昨季の扇原はランコ・ポポヴィッチ、マルコ・ペッツァイオリ、大熊裕司という3人の指揮官の下でプレーしたが、スタメンから外される悔しさも幾度か味わった。得点もゼロに終わり、目覚ましい成長を遂げた2012~2013年の勢いは確かに感じられなかった。本人の中でも不完全燃焼感が色濃く残ったのは間違いない。停滞感を漂わせたまま20代半ばの重要な時期を過ごしてはいけないと、扇原自身も強い自覚を抱いていることだろう。
2015年のセレッソのボランチ候補としては、彼ら2人以外に長谷川アーリアジャスール、新加入のベテラン・橋本英郎、ユース上がりのルーキー・阪本将基ら複数の選手がいる。しかしながら、クラブ側としても山口蛍と扇原のロンドン五輪代表ボランチコンビをさらに成長させたい意向は強いはず。彼らの飛躍は日本サッカー界の前進につながるからだ。今回のアジアカップで8強止まりに終わった後、日本代表のキャプテン・長谷部誠(フランクフルト)ら主力メンバーは、若い世代の突き上げの必要性を改めて強調していた。その筆頭がこの2人なのは確かだろう。
彼らがこの1年、どのようなキャリアを描くのか。セレッソをJ1復帰へと導く際立ったパフォーマンスを示せるのか否か。そこに注目して、2人の今季の仕事ぶりをしっかりと見極めていきたい。(Goal.com)