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ストレージ分野のニーズすべてに対応していく

ストレージ分野のニーズすべてに対応していく  

 インターネット上を流れるデータトラフィック量は年々増加しており、ソーシャルメディア、クラウド、ビッグデータなど新たな概念やアプリケーションなどが次々と生み出されている。この傾向は今後、さらに加速していくであろうが、そこで重要になってくるのがデータセンター(DC)だ。PMC-Sierraでは、そうしたデータセンターの成長に対応していくことをコミットメントとして、事業の強化を図ろうとしている。ほぼ、1年ぶりに同社のVice President&GM,Channel Strage Division(CSD)であるJared Peters氏と話をする機会を得たので、現在の同社が目指す姿などをお伝えしたい。

 PMC-SierraのVice President&GM,Channel Strage Division(CSD)であるJared Peters氏

 2010年6月にAdaptecを買収した同社が、Adaptec by PMCとしてAdaptecブランドを継承した背景などは以前の同氏とのやり取りにて記載しているので、そちらを参照していただくとして、1年経た現在も自社のカードをサーバとストレージの間に入れて、さまざまな付加価値を生み出そうというスタンスは変わっていない。唯一変化が訪れたとしたら、MicrodoftやAmazon.com、Google、そして中国企業などが押し進めるビッグデータセンターなどへ注力するための専門チームが設立され、よりデータセンターに向けたビジネスにフォーカスする姿を鮮明にしたことだと同氏は語る。

 こうしたビッグデータセンターが次々と立ち上がる背景には、画像や動画、文章などのUnstructured data(非構造化データ)を中心としたクラウドストレージ分野の急成長ぶりが挙げられ、そうした分野では、より多岐にわたるデータのやり取りに対するストレージスピードの高速化、データの暗号化によるセキュリティ性の向上、そして12Gbps SASへの対応などが求められるようになってきており、その都度、サーバごと入れ替えていてはコストが幾らあっても追いつかず、それをRAIDカードやHBA(Host Bus Adapter)などで実現することで、コストを抑えつつ、最新のニーズに対応を図ることができるようになるというのが同社が強調するところである。すでに、ハードウェアの機能として暗号化機能は搭載されているし、12Gbps SASへの対応もチップそのものはサンプル出荷を開始しており、RAIDカードなどの製品の形としてチップの評価やカードの評価を終えた2013~14年には提供可能になるだろうとしている。

 「多くのサーバベンダはIntelやAMDのCPUの発表タイミングに併せて新しいサーバを発表するが、データセンター側としては、そんなに次々とサーバを交換するわけにはいかないし、必要とするソリューションはサーバの発表タイミングと同時というわけではない。そうした意味では、RAID/HBAカードでそうしたソリューションベースのニーズに対応する製品を提供することが我々の付加価値を高めることとなる」とのことで、今後、同社CSD部門の売り上げの多くがクラウドに関わる分野になるとの見方を示す。また、「CSDは会社的にはChannel Strage Divisionなわけだが、個人的にはCloud Strage Divisionだと思っている。将来的にはData Center Storage Solution Provider(CSSP)by CSDと呼べるようにビジネスを成長させたいと思っている」と、個人的にもクラウド関連ビジネスに期待を示す。

 また、日本のエンドユーザーについては、「とにかくパフォーマンスが欲しい、という声が強い。我々としても非常に挑戦的ではあるが、スーパーコンピュータ「京」のようなHPC分野向けクラウドなども含め、協力できる分野は相当あり、ポテンシャルを感じているし、通信キャリアなども海外でのビジネスに本腰を入れようとしていることを考えれば、日本のカスタマが今後のビジネスの世界における重要な存在になるとも考えられる」と、海外への展開も含めた事業の拡大に期待を寄せる。

 「クラウドの本格化により、これまでのビジネスのあり方と概念そのものが変わりつつある。その中でデータセンターも成長していく。我々としても、その成長に合わせた製品をタイムリーに提供していくつもりだし、カスタマの扱うデータサイズごとのキャッシュアルゴリズムのチューニングなども行うなど、フレキシビリティをもっと提供していく計画だ。そうした意味ではPMCによるAdaptecの合併はMarriage going very wellであり、全社としてストレージにおけるすべてのニーズ(ハイエンド/エントリ/HBA)に対応する取り組みは2012年にはかなりの成果を見せることができるだろう」。なお、同社は2011年12月までに6Gbps対応RAIDカードである6シリーズとして、6/6T/6Q/6Eのそれぞれを提供しており、すでに次世代となる7シリーズ(仮名)も一部のカスタマ向けにサンプル出荷を行い、評価を行っている段階にあるという。

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