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ソニー、スマホ向けに高速AFを実現した積層型CMOSイメージセンサを発表

ソニー、スマホ向けに高速AFを実現した積層型CMOSイメージセンサを発表 

 ソニーは11月17日、カメラ機能の高画質化が進むスマートフォンなどに向けて、小型化と画質、機能の向上を実現した有効画素数2100万画素の1/2.4型積層型CMOSイメージセンサ「Exmor RS IMX230」を発表した。

 積層型CMOSイメージセンサ「Exmor RS IMX230」

 「Exmor RS」は、裏面照射型CMOSイメージセンサの従来の支持基板の代わりに信号処理回路が形成されたチップを用い、その上に裏面照射型画素が形成された画素部分を重ね合わせた、独自の積層型構造を採用し高画質化、高機能化、小型化を実現したCMOSイメージセンサである。同製品は、積層型として画素数を有効2100万画素へと大幅に向上させた他、新たに信号処理機能を搭載した。これにより、スマートフォンでの撮影においてニーズの高い、高速オートフォーカスである像面位相差AFや、逆光の撮影環境などでも明暗部を明瞭に映し出す高画質なHDRイメージングを実現している。

 像面位相差AFはミラーレス一眼カメラなどに採用されている技術であり、動きまわる子供やペット、スポーツシーンなどの静止画・動画の撮影時に、素早く被写体を捉え、かつ追従性に優れた高速なオートフォーカスを可能にする機能である。イメージセンサの画面に離散的に像面位相差AF専用画素を埋め込み、この専用画素から得られた情報をもとに、被写体までの距離(測距)や、フォーカスを合わせるためのレンズ位置を計算する。測距点は、最大192点まで出力することができる。これらを積層型CMOSイメージセンサ内部の信号処理回路で瞬時に行うことで、スマートフォンなどでも手軽に速い動きの被写体の撮影を楽しむことができるという。

 HDRイメージングは逆光など明暗差が大きいシーンでも、ハイライトからシャドー部分まで階調豊かに再現した静止画や動画撮影を楽しめる機能である。同機能は、2種類の露出条件を設定し、それぞれの条件で得た画像情報に対し適切な信号処理を施すことで実現している。今回の新たなHDRイメージング機能は、従来から画素の配置と信号処理を進化させることで、動画撮影に加え、要望の高い静止画撮影にも対応した。これにより、解像度を高めながら、ダイナミックレンジの広い画像を生成することで、逆光などの環境においても背景と被写体を色鮮やかに撮影し、高い視認性で再現する。同機能は、4K(4096×2160画素)の高解像度動画撮影にも対応している。

 なお、サンプル価格は2100円(税抜き)。2015年4月より量産出荷を開始する予定。また、像面位相差AFとHDRイメージング機能を搭載した積層型イメージセンサでは、2015年度中に有効画素数1600万画素品もラインアップする予定と説明している。

 像面位相差AF機能。測距点は最大192点まで出力することができる

 (左)有効画素数320万画素の「IMX135」と(右)有効画素数2100万画素の「IMX230」の画像比較

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