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スペースシャトルがラストフライト
米航空宇宙局(NASA)は、2011年7月8日午前11時30分頃(米国時間、日本時間は7月9日午前0時30分頃)、NASAケネディ宇宙センター(KSC)より、STS-135(ULF7)ミッションとして、スペースシャトル「アトランティス号」の打ち上げを行った。
スペースシャトル「アトランティス号」の打ち上げ直後の様子((C)NASA HD-TV/Ustream)
打ち上げ直前の31秒で一度、カウントダウンが止まったものの、その後、無事にカウントダウンを経て、打ち上げ。約10分後に外部燃料タンクなどの切り離しが行われた。
打ち上げ直後、大気圏の離脱を目指すアトランティス((C)NASA HD-TV/Ustream)
固体ロケット・ブースタや外部燃料タンクを切り離し中のアトランティス((C)NASA HD-TV/Ustream)
同ミッションはすでに大塚実氏のレポートにあるように、”アトランティス”による国際宇宙ステーション(ISS)の利用補給フライトであり、スペースシャトルによるISSの組立・補給フライトとしては37回目のフライトとなる。ミッション飛行スケジュールとしては13日間を予定している。
KSCにはアトランティスの打ち上げを見るために大勢の人が訪れていた((C)NASA HD-TV/Ustream)
30年にわたるNASAのスペースシャトルミッションプログラムの最後を飾るフライトでもあり、補給物資などを多目的補給モジュール2「ラファエロ」に搭載してISSへ運搬するほか、ロボットによる燃料補給ミッション(Robotic Refueling Mission:RRM)実験装置をISSへ運ぶなどのミッションをこなす。
このRRM実験装置は、S3トラス下側のエクスプレス補給キャリア4(Express Logistics Carrier 4:ELC-4)に設置される予定の、軌道上の衛星への燃料補給のデモンストレーションを目的として開発された装置。これまで軌道上に打ち上げられた衛星は、燃料が尽きた時点で運用を終了していたが、同装置を使用して衛星に燃料を補給することができるようになると、衛星の運用寿命を延ばすことができるようになることから、今回、軌道上で技術実験を行うためにISSへ運搬される。
なお、アトランティスは、4機目に製造されたオービタであり、1985年10月3日にSTS-51Jで初飛行を行い、金星探査機マゼラン、木星探査機ガリレオの打ち上げに使われた他、ミールとのドッキングミッションに7回、ISSミッションに12回(STS-135を含める)使われたが、日本人宇宙飛行士の搭乗はなかった。
STS-135ミッション終了後は、安全化作業が行われた後、KSCのビジターコンプレックス(見学者向けの展示施設)に引き渡されて展示される予定となっている。