指紋汚れもすぐ拭き取れる、汚れにくいLCD開発

　

　LG.Philips LCD(以下、LGL)は、汚れが付きにくい15.4インチのノートPC用LCDパネルを開発したと発表した。

　これは、指紋や油性インクなどの汚れが既存製品に比べて付きにくく、万一付いてしまった場合でも、簡単に消すことができる「防汚性」機能を持つものだ。

　汚れが付きにくい秘訣は防汚コーティングだ。これは、食材を焼いても焦げ付かないフライパンなどで有名なテフロン加工と類似した原理によるものだという。

　さらにこうした防汚コーティングを施す方法にも特徴があるのが、今回のLCDパネルの優れた点だ。

　一般的に、ノートPCの場合、LCDパネルに使われる偏光板の表面には、まぶしさを低減させるために、低反射のグレアコーティングがなされる。しかし、これには、指紋などで汚れやすいという弱点がある。このグレアコーティングに防汚機能を追加するには、これまで、2つの工程を踏まなければならなかったが、今回開発されたLCDパネルでは、特別な装備を追加することなく、1つの工程でグレアコーティングと防汚コーティングとを施せるという。この技術の詳細については「外部には公表できない」(LPL)ということだが、こうした手法によりコストをかけずに優れたLCDパネルの生産が可能になる。

　防汚性LCDパネルは2008年から量産が開始される。同年内には、すべてのLGL製パネルに防汚コーティングが施される予定だ。

　LG.Philips LCDが開発した防汚性LCDパネルに、油性ペンで線を描いてみた様子。ちょうどペンがある辺りが、今回開発されたLCDパネルだ