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液晶ディスプレイモジュールの新製品も披露

液晶ディスプレイモジュールの新製品も披露  

 券売機や携帯端末など、液晶ディスプレイの用途は近年拡大しており、それぞれの用途に合わせた製品が開発されている。「第10回 組込みシステム開発技術展」(ESEC)では、NEC液晶テクノロジーと東芝松下ディスプレイテクノロジー(TMD)が新製品を中心に展示を行った。東芝松下ディスプレイテクノロジーは高輝度、高精細、高寿命で動作温度範囲が広い製品を展示。一方のNEC液晶テクノロジーは表面反射を抑える技術や、半透過型ディスプレイなどで直射日光など強い外光下での表示の見やすさを意識した製品を展示した。

透過型、反射型、半透過型

 液晶ディスプレイには透過型、反射型、そして中間的な半透過型がある。液晶はそれ自体が発光するわけではなく、光源からの光を遮ることで画像を表示する。光源を液晶パネルの背後に配置し、その光を液晶パネルに透過させて表示を行う方式が透過型。外光を反射板で反射させて表示を行う方式が反射型。そしてマジックミラーに似た構造の反射板を配置し、バックライト、外光の両方を利用する方式が半透過型である。透過型ディスプレイは、光源としてバックライトが必要で消費電力が大きくなるが、暗い環境でも鮮やかな表示を行うことができる。反射型は光源を内蔵しないため、消費電力が小さくて済むが、暗い場所では表示を見ることができない。中間的な半透過型ディスプレイは透過型ディスプレイほど光の透過率が高くないため、同じ輝度のバックライトを使用した場合表示が暗くなる傾向がある。しかし、直射日光など強い外光環境下では、透過型ディスプレイの場合は表示を見ることがほとんどできないのに対して、半透過型ディスプレイの場合は表示が見やすい。

NEC液晶テクノロジーの新製品「NL4864HL11-01B」 – 半透過型

 NEC液晶テクノロジーは、券売機、POS端末、PND端末など、それぞれの市場に対応した製品を展示した。今回展示された同社の新製品(4月9日発表)である3.5型液晶ディスプレイ「NL4864HL11-01B」は、PNDなど強い外光環境下で使用されることを意識した半透過型ディスプレイである。VGA表示(480×640ピクセル)、26万色表示対応で、タッチパネルを標準装備しており、輝度は200cd/m2である。また、動作温度が-20℃~+70℃となっており、人間の活動範囲のほとんどをカバーする仕様となっている。

 半透過型の「NL4864HL11-01B」 – 照明をやや落としたところ

 照明を強くしても表示が見やすい

東芝松下ディスプレイテクノロジーの新製品「LTD121C35S」

 また、東芝松下ディスプレイテクノロジーも小型ディスプレイから大型ディスプレイまでの展示を行った。12.1型ディスプレイ「LTD121C35S」(5月9日発表)は、券売機やATMなど屋外環境でも使用できる。1000cd/m2まで高輝度化することにより強い外光が差込んでも表示を見ることができるという。会場では、ディスプレイにスポットライトを当てて表示を行うでもが行われていた。ランプ電流が7mAでランプ交換も可能。また、ランプ寿命は5万時間(輝度半減時間、ランプ電流6mA、外部温度25℃)を実現している。動作温度範囲も-10℃~+65℃とこちらも人間の活動範囲のほとんどをカバーしている。

 12.1型ディスプレイ「LTD121C35S」 – 高輝度、高精細、高寿命で動作温度範囲が広いことが特徴

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