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NTT、プロ向け4K H.265/HEVCリアルタイムエンコーダLSIを開発
NTTは、最新の映像符号化に関する国際標準規格「H.265/HEVC」に対応した、4K/60p HEVCリアルタイムエンコーダLSI(開発コード名:NARA、Next-generation Encoder Architecture for Real-time HEVC Applicationsの略)を開発したと発表した。
4K映像は通常のHDTVの8倍の画素数を有するため、本格的な普及には、伝送帯域のさらなる効率的利用を実現する高い圧縮性能に加えて、機器の小型化・経済化を兼ね備えたリアルタイムエンコーダの実現が求められている。NTTでは、今回、プロ用途向けの要求条件を満たす高圧縮・高品質映像サービスの実現に向け、1チップで4K/4:2:2/60p映像のエンコード処理を行う、プロフェッショナル用途向けHEVCリアルタイムエンコーダLSIを新たに開発。LSI化により、既存技術でのHEVCエンコーダと比較して、基盤実装面積を16分の1に、圧縮性能を1.5倍に、小型化と高性能化を実現した。
HEVCの特徴である可変ブロックサイズに適応したフレーム間予測やフレーム内予測におけるハードウェアアルゴリズムを開発し、画面内の大きな動きを検知して適応的に広い探索範囲を実現する動き予測や、動き予測の過程で段階的にブロックサイズを絞り込む高圧縮で低演算量な動き探索、映像の特徴を解析した上で事前に予測方向を絞り込むイントラ予測等のハードウェアアルゴリズムを確立。これら高圧縮映像エンコード処理に加え、音声エンコーダ・映像音声のトランスポートストリーム(MPEG-2-TS)への多重化処理も1チップに内蔵することで、チップ搭載システムの構成のシンプル化を実現した。
従来技術では、主に4:2:0フォーマット映像を用いたエンコード処理を実現しているが、今回の開発成果では、HEVCの真の性能である高圧縮率を達成すると共に、4:2:0フォーマット映像の2倍の色情報を有する4:2:2フォーマット映像のエンコード処理をリアルタイムで実現できる。
NTTでは、同製品の搭載システム装置を、今後本格化する超高精細映像の伝送サービスでの利用に向けて検証を重ね、2015年度第3四半期以降にNTTグループより市場投入する。
なお、同製品は、2015年4月13日から米国ラスベガスで開催される国際放送機器展(NAB2015)に展示する予定。
4K H.265/HEVCリアルタイムエンコーダLSI