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TANAKA/SUSS、サブミクロン金粒子によるパターン転写/接合技術の開発で提携
サブミクロン金粒子
TANAKAホールティングスの子会社である田中貴金属工と半導体製造装置メーカーの独SUSS MicroTecの日本法人ズース・マイクロテックは7月12日、サブミクロンサイズの金粒子を用いたパターン転写および接合技術を、共同で開発することで合意したことを発表した。
先端デバイスでは、小型化や高機能化、高性能化に加え、鉛フリーはんだ実装への対応などが進められているが、めっきやスクリーン印刷、スパッタなどによる成膜といった工程を組み合わせ、ウェハに金や金・スズなどのメタル接合材料を用い、封止枠や電極などを形成している。しかし、こうした複数の工程と材料を用いる作業は、生産速度の低下と材料の使用効率の低下を引き起こしていた。
また、電気接続の工程では現在、めっき法による金バンプやはんだバンプといったマイクロバンプ接合の技術が用いられているが、金バンプが硬いため十分な接合安定性を得られないことや、はんだバンプが溶融時の流動で短絡することなどが課題となっているほか、気密封止の工程では、従来の陽極接合やガラスフリット接合に加えて、近年では成膜やめっきによるメタル-メタル接合といった技術が用いられているが、高温での接合が必要であることや、表面凹凸によって歩留まりが低下することなどが課題となっている。このため高温での安定動作が求められる高輝度LEDなどの先端デバイスの実装において、現行の接合技術では、高熱伝導性や高耐熱性、狭線幅・狭ピッチ化といった次世代の性能要求をすべて満たすことが困難になってきていた。
今回、2社の技術開発では、田中貴金属工業がサイズ効果により低温で接合でき、既存のハンダ接合より高耐熱性と低応力性に優れたサブミクロン金粒子をパターン転写する基板の製造プロセスを開発。一方、ズースは、同転写基板を使ったウェハレベルの転写・接合装置の開発を行っていく。また、この2社の技術開発では早稲田大学ナノテクノロジー研究所の庄子習一教授と水野潤准教授による協力も受けて開発が進められる予定。
今回開発を進めるパターン転写および接合技術は、電気接続や気密封止を、必要十分なだけの金材料を使って高効率で実現できるとともに、現行技術での課題を解決でき、「先端MEMSの気密封止」、「先端MEMSの気密封止と電気接続の一括プロセス」、「高輝度LEDやパワー半導体など高温動作するデバイスの電極形成」、「小型電子デバイス部品の微小電極形成」、「ウェハの3次元積層」といったような製造プロセスへの適用が期待されている。
パターン転写のプロセスフロー