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究極のセルフ居酒屋、「料理は出てきません。全部お客さんがつくります」 (1) 料理は完全セルフ、アルコールは激安価格を実現
料理までセルフの居酒屋「清貧」
「居酒屋ですが、料理は一切出てきません、すべてお客さんがつくってください」。そんなありえないような飲食店が実際にある。その名は「清貧」。料理を受け取り口までお客自身が取りに行く等のセルフ居酒屋は数あれど、ここまで徹底した"セルフ"な店は珍しいだろう。このお店、東京・中野に2009年7月にオープンし、若者を中心に話題を集めているという。一体どんなお店なのか。そしてお客は一体何を求めてお店に通うのか。またそのお店を開いたオーナーの狙いは?
地下鉄丸の内線新中野駅から3,4分の場所に立地。店頭にコンセプトを知らせる看板がある。店内は52席と広々
まずオーナーからの説明を受ける。ドリンク類の受け取りもこのカウンターで、自分で客席まで運ぶ
地下鉄丸の内線新中野駅からほど近く、大通りに面した場所に立地する「清貧」。ウッディな造りのおしゃれな外観で、店内は天井が高く、ログハウスのようなデザイン。客席部分は30坪・52席となかなか広い。まず店内に入ると、オーナーから店のシステムについて説明を受けることになる。
前述のように、料理はすべて、自分たちでつくる。店内奥には厨房スペースがあり、食材は冷蔵庫などから自由に取ってきて使う。調味料は基本無料だが、その他の食材には値札が貼ってあり、これをグループごとに渡された伝票に貼りかえ、後ほど精算となる。別途、30分200円のチャージがかかるが、上限1,600円。ドリンクはカウンターでオーダーする形式となっており、ビールはジョッキ199円、焼酎99円~という激安価格だ。食材もスーパーで売っているような価格で、つまりほぼ原価ということになる。
店内奥にある厨房。厨房は広く、数グループで同時に調理可能。広い冷蔵庫内には、生鮮食品がずらり
厨房での調理は、混み合うと制限時間があり、ウェイティングが出ることもある。取材時も店内はほぼ満席で、調理の順番待ちが10分ほど。この間は、店内で売られているお菓子や乾きものなど調理不要なアイテムとドリンクで時間をつぶす。
焼鳥の焼き台など専門的な調理器具がその後順番が回ってきて、いざ調理開始。飲食店の居抜き物件とのことで、広々とした8坪弱の厨房はかなり立派。プロ仕様の火力の強いガス台や、焼鳥を焼く焼台など、普段は使うことができないような専門的な調理器具が揃っており、調理好きならテンションが上がるところ。まずは無料で貸してくれるエプロンを着用して、手をしっかりと洗う。保健所の営業許可も取ってあり、厨房内はとても清潔だ。
野菜や魚貝、肉類は大きな冷蔵庫内に入って探すのだが、それぞれ小分けサイズになっているので使いやすい。ごはんはあらかじめ炊いてあり、並が99円。さらに卓上コンロやタコ焼き機等も100円程度で貸し出してくれ、料理の幅が広がる。
レトルト類や缶詰も豊富に揃っているので、調理の苦手な人たちはそれでもよいとのこと。事前に相談すれば、食材のリクエストも受け付けてもらえる。調味料類は無料となっている。調理器具は使った後さっと洗えば、後はスタッフが片付けてくれる。皿等も指定の場所に出せばよいので、家と比べてなかなか楽に感じる。
肉類も小分けされていて使いやすい
缶詰はとりあえずのおつまみにも。その他、乾きもの、調味料も豊富