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カーニバルに起きたファンの愚行…ブンデスの安全神話を崩壊させないためには
14日に開催されたブンデスリーガ第21節、ボルシアMG対ケルンの“ライン・ダービー”終了後、ケルンのファンがピッチ上で犯した愚行が波紋を呼んでいる。
ボルシアMGに0-1で負けたケルンのペーター・シュテーガー監督以下、スタッフ、選手らが試合後ピッチ上で円陣を組み、敗戦後の自分たちを奮い立たせようとしていたその時、上述のようにケルンファン数十人がピッチに侵入し、発煙筒や花火を焚きだした。さらにこれを取り押さえようとしたセキュリティや、出動していた警察官にも暴力をふるうなど、現場は一時騒然となった。
この問題が起こった背景には、同ダービー特有の殺気だけではなく、この日がカーニバル期間だったことも関係すると見られている。
カーニバルとは、主にドイツ西部ライン川流域で2月に開催されるお祭りで、人々は色とりどりの衣装を身にまとい、飲めや歌えの大騒ぎをする行事のこと。特にケルンは、同期間に街中をパレードが行進してはお菓子をばらまくなど、この催しに最も熱を入れている都市でもある。
今回暴挙に出たファンは、体系が外見で判別しづらいぶかぶかの白色のつなぎ、そして目だし帽を着用しており、その容姿から個人を特定することは難しく、犯行に及ぶきっかけになったことも否めない。
仮にカーニバル期間でなければ、それらは全て入場チェックで没収されていたかもしれないが、このお祭り騒ぎでは仮装の一種とみなされてしまう。事実、例えばドルトムント対マインツの試合では、顔まで隠れる着ぐるみを着ているマインツファンも少なくなかった。
度を過ぎた観衆の行動が近年頻発しているせいで、ついにドイツサッカー連盟(DFB)はこの暴動後、“アウェーファンの入場禁止”という措置まで考え始めている。
DFBセキュリティ部門のトップを務めるヘンドリク・グローセ・レファート氏は、ドイツ西部の地域紙『ライニッシェ・ポスト』の取材に対し、「ホームゲーム開催側が安全に気を配り、考えられる対策を練っているにも関わらずこのようなことが起こってしまうのならば、その責任はアウェーに駆け付けたファンが負うべきだ。彼らがアウェーの地に行くことを禁止するかどうかを今後テーマにしていかなければならない」と話した。
しかし現実的なのは、ドイツ・フットボール・リーグ社(DFL)のアンドレアス・レティッヒ取締役の言う“別の解決策”だろう。
同取締役は、先述の“ライン・ダービー”や、ドルトムント対シャルケの“レヴィア・ダービー”など危険度が極めて高い試合に関してのみ、購入者が特定できるチケットを導入するべきと訴えている。…そうすれば、そういった無法者を特定するのも容易になり、また愚行を思いとどまらせる抑止力も上がるという考えだ。
子供から女性まで家族が一緒に楽しめることで世界一の集客数を誇るようになり、再び欧州トップレベルへ返り咲いたブンデスリーガ。これまで築いてきた安全神話を崩壊させないためにも、スタジアムのセキュリティを高めることは急務となっている。
文=鈴木智貴