汚染水 国が東電に再点検を指示 福島第一原発

　

　　福島第一原子力発電所で高濃度の放射性物質を含む汚染水が海に流出していたことを東京電力が公表していなかった問題で、経済産業省は26日、汚染水対策を総点検するよう指示した。

　

　　この問題は今月19日、福島第一原発2号機建屋の搬入口屋上で、高濃度の放射性物質を含む雨水などの「たまり水」を検出。

　

　　福島第一原発の敷地内にある排水路の除染を進めてきた東電は、昨年5月にはこの排水路の測定値が高いことに気づいていたにもかかわらず、今月24日まで事実を公表せず、汚染水の流出を防ぐ対策も講じてこなかった。

　

　　26日、経済産業省を訪れた東電・福島第一廃炉カンパニーの増田尚宏最高責任者に対し、高木陽介経産副大臣は「福島県民や地元の漁協関係者に不安を与えた。大変遺憾だ」として、改めて汚染水の流出防止対策を強化し、総点検を行うよう指示した。

　

　　東電はこれを受け、今後は排水路の監視を強化し、汚染が確認された排水路にポンプを設置して万が一流出した場合に、雨水を港湾内に移送できるようにするなどの対策を講じると明らかにした。