宇宙望遠鏡「ひさき」 木星のオーロラ爆発観測に成功 発生原因を解明

　

　

　　宇宙航空研究開発機構（JAXA）は25日、惑星観測衛星「ひさき」で木星を長時間観測した結果、木星の高速自転によって引き起こされた「オーロラ爆発」を世界で初めてとらえることに成功したと発表した。

　

　
　　地球の1000倍以上の強い磁場を持つ木星は、その磁場とともに1周約10時間かけて自転している。

　

　
　　木星の磁気圏と、衛星イオから放出されるプラズマなどの相互作用で、木星には常時オーロラが発生していると言われているが、地球で見られるように強い光を放つ「オーロラ爆発」は、断片的にしか観測されておらず、オーロラの原因はこれまで明らかにされていなかった。

　

　　
　　JAXAの研究チームは、2013年9月に打ち上げられた惑星観測衛星「ひさき」に搭載した宇宙望遠鏡で長時間観測を行った結果、太陽風が静かなときも、オーロラが突然明るくなる爆発現象を連続でとらえることに世界で初めて成功した。

　

　
　　さらに、米航空宇宙局（NASA）のハッブル宇宙望遠鏡で撮影した木星のオーロラ画像データから、磁気圏が急激に活性化するとオーロラ爆発が起こる可能性が高いことを突き止めた。

　

　
　　この研究成果は、米地球物理学会誌「Geophysical Research Letters」に近く掲載される予定。