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いすみ鉄道キハ52にも乗れるごみゼロむし歯ゼロイベントを大多喜で開催

 いすみ鉄道キハ52にも乗れるごみゼロむし歯ゼロイベントを大多喜で開催

 

 デンタルサポートは29日、いすみ鉄道および環境活動「まるごみ」とコラボし、千葉県大多喜町にて「ごみゼロで むし歯ゼロ フェスタin大多喜」を開催する。いすみ鉄道のキハ52に乗車できるなどの特典もあるとのこと。

 いすみ鉄道に導入された「キハ52-125」は1965年に製造され、長くJR大糸線で活躍していた車両。今後はおもに観光列車として活躍する予定

 千葉市に本社を置き、訪問歯科診療サポートなどを手がける同社は、いすみ鉄道(千葉県の上総中野~大原間を結ぶ第3セクター方式の鉄道)の「デンタルサポート大多喜駅」のネーミングライツ企業でもある。今回、千葉県各地でごみ拾い活動を行う「まるごみ」も加わり、ごみゼロの日(5月30日)とむし歯予防デー(6月4日)を前にイベントが開催されることになった。

 「デンタルサポート大多喜駅」に集まった参加者に渡される「まるごみ」のごみ袋

 キハ52に乗車した参加者に贈られる特別記念乗車券の歯ブラシ(見本)

 イベント当日の29日は、午前8時よりごみ拾いがスタート。集合場所は「デンタルサポート大多喜駅」で、参加者には「まるごみ」のごみ袋が渡される。

 町内のゴミを拾い、9時50分までに同駅に戻ると、ごみ1袋分と引き換えに乗車整理券 (先着60名まで)が渡される。これでキハ52を使用した特別臨時列車に乗車でき、特別記念乗車券として歯ブラシも贈られる。

 大多喜城を見学できる特典も

 特別臨時列車は10時18分に「デンタルサポート大多喜駅」を発車し、JR外房線と接続する大原駅との間を往復する予定。なお、途中駅はすべて通過となり、大原駅からの片道乗車はできない。

 これとは別に、ごみを拾って11時までに大多喜城に行った場合、大多喜城の入場引換券がもらえる特典も用意している。また、参加者を対象に、デンタルサポートグループの歯科医師や歯科衛生士による無料歯科検診・歯科相談も行われるという。

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鉄道トリビア (97) 消えた「第2山手線」計画

 鉄道トリビア (97) 消えた「第2山手線」計画

 

 京王電鉄井の頭線の上り電車に乗って前方を眺めていると、明大前駅の手前で橋を潜る。ここは丘を削った切り通しになっていて、元々ある道路が橋になっている。こうした橋は珍しくないが、明大前の橋は2つの点でユニークだ。その1つは道路だけではなく、用水路(玉川上水)の橋になっていること。もう1つは、複線区間の橋にもかかわらず、線路が4本並ぶように設計されていることだ。実はこれ、井の頭線の複々線化工事用ではなく、計画途上で立ち消えとなった「第2山手線の遺構」だという。

 明大前駅付近の陸橋、線路4本ぶんの橋桁がある

 橋の上は玉川上水のパイプが通っている

 1925(大正14)年に山手線が環状運転を開始し、東京を放射状に伸びる各路線を結んだ。これが便利だったため、山手線の外側にもう1つ環状路線をつくろうという計画が生まれた。そのきっかけは、1921年に浮上した、東京の放射状路線を横断する鉄道路線構想に遡る。同構想の発起人らが1926(大正15)年に「東京山手急行電鉄」を設立、免許申請を行った。これが、日本の鉄道の歴史上でいう「第2山手線」である。

 東京山手急行電鉄の計画は、大井町駅(JR京浜東北線) - 雪が谷大塚駅(東急池上線)付近 - 自由が丘駅(東急東横線) - 駒沢駅(東急田園都市線駒沢大学駅付近) - 梅ヶ丘駅(小田急線) - 明大前駅(京王本線・京王井の頭線) - 中野駅(JR中央線) - 新井薬師前駅(西武新宿線) - 江古田駅(西武池袋線) - 下板橋駅(東武東上線) - 板橋駅(赤羽線・埼京線) - 田端駅(JR山手線) - 北千住駅(東武伊勢崎線・常磐線など) - 曳舟駅(東武伊勢崎線・京成本線)付近 - 大島駅(都営地下鉄新宿線)付近 - 南砂町駅(東京メトロ東西線)付近 - 東陽町駅(東京メトロ東西線)南側だった。ちなみに終点付近は当時「洲崎町」という地名で、明治から昭和中期にかけては吉原と並ぶ歓楽街。「洲崎パラダイス」とも呼ばれたという。

 東京山手急行電鉄は、当時としては壮大過ぎた計画で、資金の目処がつかなかったらしい。しかし、小田原急行電鉄社長の利光鶴丸が代表取締役となり、阪急電気鉄道社長の太田光熈も取締役に名を連ねて、実現に一歩近づいた。ただし、両名とも自分の会社の路線建設と運営に苦心しており、東京山手急行電鉄まで手が回らなかったようだ。その後、経由地を見直し、区間を駒込まで短縮するなどの変更案も出されたものの、関東大震災、世界恐慌、戦争の影響で開通できず、免許失効、計画は立ち消えとなってしまった。

 東京山手急行電鉄の接続予定駅と通過予定地を直線で結んでみた

 ただし、利光鶴丸は東京山手急行電鉄改め東京郊外鉄道と、現在の井の頭線にあたる路線免許を持っていた渋谷急行電鉄を合併させた。そして吉祥寺駅 - 渋谷駅間を建設。このとき、明大前駅付近のみ、第2山手線の準備工事に着手した。これが玉川上水陸橋の「線路4本分」の遺構として残ったというわけだ。

 線路のない橋桁部分は第2山手線のために作られた

 第2山手線が実際に作られたとしたら、とても便利な路線になっただろう。興味深いことに、その後、東急は大井町線を建設し、玉電は現在の世田谷線を作るなど、第2山手線構想に近い路線もできている。また、環状7号線西側と環状8号線東側に沿った「メトロセブン」「エイトライナー」という路線の構想もある。実際に作られた環状線としては、都営地下鉄大江戸線、JR武蔵野線などがある。さらには東武野田線、JR川越線、八高線、南武線も環状線を形成しており、「放射状の路線を結ぶ」という第2山手線の構想が活かされているとも言えそうだ。

HN:
上原健二
性別:
非公開
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