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ロームと本田技術研究所、SiCによるハイパワーインバータモジュールを開発

ロームと本田技術研究所、SiCによるハイパワーインバータモジュールを開発 

 ロームと本田技術研究所は、SiC-SBDならびにSiC-MOSFETを搭載した1200V/230A(280kVA相当)クラスの次世代電気動力車向けハイパワーインバータモジュールを開発したことを発表した。ロームのSiCデバイス技術と本田技術研究所のハイパワーモジュール技術を融合させることにより、フルSiCデバイスによるハイパワーインバータモジュールを実現したという。

 ロームと本田技術研究所が共同で開発したSiCハイパワーインバータモジュール

 同インバータモジュールは、コンバータ回路(1相)とインバータ回路(3相)を1パッケージに搭載することで、小型化を実現している。

 また、ロームの開発によるSiCデバイスの素子単体特性は、Si-IGBTと比較してスイッチング損失が約1/7となっており、パワーモジュールとしての性能もスイッチング損失が従来のSiデバイスと比較して約1/4以下に低減できることが確認されたという。これにより、オン損失を含めた電力交換時の総損失の低減が可能となったほか、スイッチング損失が低減した分、駆動周波数を引き上げることが可能となり、例えばSi-IGBTを使用した場合のPWM周波数20kHzに対し、4倍となる80kHzへと向上させることが可能となるという。

 インバータへの応用では、低損失低減を目的に使用する場合、発熱量が抑えられるため、冷却機器の小型化や温度マネージメントの設計範囲の拡大などに効果が期待できるとしている。また、昇圧コンバータ応用では、従来に対し4倍駆動周波数を高くできるため、周辺部品の小型化、軽量化により機器としての出力容積密度の向上を図ることが可能になるという。

 今回開発されたモジュールをハイブリッド車(HEV)や電気自動車(EV)に適用することで、損失の低減、システムの小型・軽量化が期待できるが、両社は今後、SiC-MOSFETの単体性能をさらに引き出すパワーモジュール構造の改善ならびに、SiC-MOSFETの微細化や構造の改良による性能の向上を目指すとしている。

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