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(8)生徒が教え合って問題解決…必要性と課題とは
次期学習指導要領に盛り込まれる見通しの「アクティブ・ラーニング」。
改定作業にかかわる文部科学省の大杉住子・教育課程課教育課程企画室長(40)と、高校教員として実践し、現在は教員らにアドバイスしている産業能率大の小林昭文教授(63)に、必要性と導入の際の課題を聞いた。
知識と活動のバランスを
大杉 住子/文科省教育課程企画室長
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将来、技術革新が進むと、今ある仕事の半分は自動化され、人間が行う必要がなくなると言われている。人間に求められるのは、高度な問題解決力や創造力だ。さらに、グローバル社会で、様々な文化を背景にした人と新しいものをつくる力も重要になる。
そうした力は、講義で知識を一方的に伝達する学習法で育むのは難しい。子どもが主体的、協働的に学ぶアクティブ・ラーニングなら可能だ。これまで進めてきた言語活動や総合的な学習の時間も同様の力の育成を目指している。
効果的に実施するには、知識の伝達と主体的な活動のバランスを取ることが必要だ。知識の習得なしに課題に取り組ませても、子どもには解決の手だてがなく、学習目的が達成されないからだ。
成功している取り組みを分析すると、子ども自身が課題を認識し、必要な知識を習得、活用するなど深い学びの過程が共通していた。教師はそうした過程を実現していくために、学習のファシリテーター(促進者)になるという側面が大きく、教員養成や研修で伝えていきたい。評価の方法や教材についても研究を進め、教育現場を支援していく。
学習意欲や学力向上効果
小林 昭文/産業能率大教授
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高校で物理を教えていた時は、必ず誰かが寝ていた。生徒が起きて、楽しく学べるやり方を模索し、生徒自身が問題を解決する授業にしようと考えた。
基本のスタイルは、最初に私が15分間説明する。その後、生徒が問題演習などの共同作業をし、最後に授業での態度を振り返る。試行錯誤し、15分間なら一方的な説明でも生徒が飽きないとわかった。問題演習も難易度が違う4~5題を与え、最初から解答を渡した。かなり難しい問題でも解答があれば、生徒は教え合う中で理解していける。
この方法で6年間授業を行った。子どもの成績が伸び、物理選択者が増え、言われなくても勉強するようになった。アクティブ・ラーニングは子どもの学習意欲や学力向上に効果が見込めるとはっきりとわかった。指示待ちの姿勢が変わり、キャリア教育としての機能も期待できる。
これまで受けてきた授業とは全く違うが、生徒は最初に進め方を説明すれば対応できる。難しいのは教員の方で、特に50代以上の教員は教え方を変えるのに抵抗がある。学校教育の目的は未来に生きる子どもの力をつけることであって、先生の力をコピーすることではない。多くの人にこの根本を理解してほしい。
この連載は、山田睦子、高山千香が担当しました。PR
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