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<チュニジア襲撃>博物館にはしご、30人避難手助け

<チュニジア襲撃>博物館にはしご、30人避難手助け

【チュニス秋山信一】チュニジアの国立博物館が武装した男たちに襲撃された際、隣接する国会議事堂の職員が機転を利かせて博物館の2階にはしごをかけ、30人以上の観光客を避難させていたことが分かった。危険を冒してはしごを用意した議会報道官のハッサン・ファタハリさん(30)は「救助が使命だと感じ、責任を果たしたかった」と話した。

 ◇隣接の国会職員お手柄

 ファタハリさんは今月18日の事件発生当時、議事堂でナセル議長の公務に立ち会っていた。襲撃の情報が入ると、議長はカイドセブシ大統領や国防相、内相に対応を要請。ファタハリさんは議事堂の安全責任者として安全確保に当たった。

 議事堂の外に出ると、博物館から多数の観光客が逃げ出していたため、すぐに議事堂の部屋を避難用に開放。さらに、博物館2階に観光客が取り残されているのが窓越しに見えたため、天井の修復などに使う高さ4~5メートルの金属製のはしごを議事堂倉庫から持ち出し、他の職員らと共に観光客がいる部屋の窓にかけた。そこから日本人を含めて30人以上の客が避難したという。

 襲撃犯はその後、はしごがかけられた部屋に手投げ弾を投げ込んで避難を妨害。はしごを立てかけた議会職員らにも被害が及ぶ恐れがあった。ファタハリさんは「チュニジア人にとって観光客は親戚同然だ。少しでも命を救いたかった」と振り返った。

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