前橋育英、初Ｖならず…山田監督「これがスタート」

　

　　第９３回全国高校サッカー選手権大会決勝（１２日、前橋育英２－４星稜＝延長、埼玉スタジアム）あと一歩届かなかった。前橋育英は０－１の後半８分から２分間で２ゴールし、一度は逆転。しかし追いつかれ、延長で力尽きた。

　　「あそこで一瞬、勝ったと思ってしまった」。今大会初得点となる勝ち越しミドル弾を右足で決めたＵ－１９日本代表ＭＦ渡辺凌磨（３年）が、涙を流して悔やんだ。試合後は座り込んで動けないチームメートに「最後までしっかりやろう」と声をかけ、体を引き起こした。

　　５度目の準決勝を初めて突破したが、頂点には届かなかった。就任３２年目の山田耕介監督（５５）は「非常にショック。でもあきらめずに答えを探さなければ。これがスタートです」と話した。

　　スタンドには、２０１１年に急逝したＯＢの元日本代表ＤＦ松田直樹さん（享年３４）の姉・真紀さん（４５）の姿もあった。真紀さんは高校時代の弟の写真を手に「１７０人以上の部員が一つになって戦っていた。ありがとうと言いたいです」と涙を浮かべ、惜しみない拍手を送った。　（丸山汎）

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