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すべらない砂無料配布
京阪電気鉄道とホテル京阪、京都タワー、琵琶湖ホテル、センチュリーホテルは7日、京阪大津線と京阪グループ運営ホテルで、「スベリ防止砂『勝利を砂ポート』」を無料配布すると発表した。
「スベリ防止砂『勝利を砂(サ)ポート』」
「スベリ防止砂」は本来、列車の車輪がすべらないように線路にまくもので、急勾配がある京阪大津線(おもに大津市内を走る京津線と石山坂本線の総称)にて、車両の空転を防止するために使用されてきた。
大津線では2005年より、「試験にすべらない」とゲンをかつぎ、本格的な受験シーズンを迎える受験生への応援グッズとして、『勝利を砂ポート』と銘打って配布している。今年も20日より、京阪石山駅、京阪膳所駅、浜大津駅、皇子山駅で、大津線を利用する受験生本人を対象に配布される。
また、新たに京阪グループが運営するホテルでも「スベリ防止砂」が配られることになり、来年1月13日より配布開始。大阪・京都・滋賀エリアのホテルだけでなく、ホテル京阪札幌やホテル京阪浅草でも入手可能で、各ホテルの受験生用宿泊プランを利用した受験生本人が対象となる。
なお、受験終了後に「スベリ防止砂」を返却することも可能で、返却期間は来年2月1日から3月31日まで。受験に合格し、返却された砂を混ぜることで、年々ご利益を高めているとのこと。
JAL、帝国ホテルシェフ監修の朝食スイーツを機内で提供
日本航空はこのほど、機内食における帝国ホテルとのコラボレーション企画をスタートさせた。
12月上旬に提供される朝食メニュー
帝国ホテル総料理長・田中健一郎氏
帝国ホテルシェフパティシエ・望月完次郎氏
国内線JALファーストクラス機内
帝国ホテル総料理長・田中健一郎氏監修による朝食メニュー、同ホテルシェフパティシエ・望月完次郎氏監修によるスイーツを昼食時に提供する。対象となるのは国内線JALファーストクラスで、メニューは10日ごとにかわる。12月上旬の羽田 – 伊丹線では、オニオンスープ、フレンチトースト、ラタトゥイユの朝食が用意される。スイーツは抹茶ティラミスやクリームブリュレなど。なお、スイーツは羽田出発便と到着便では別メニューを用意する。
抹茶ティラミス
クリームブリュレ
さらに、12月限定で国内線JALファーストクラス利用客全員に、羽田出発便では「帝国ホテルオリジナルフィナンシェ」を、札幌・伊丹・福岡出発便では「帝国ホテルオリジナルチョコレートドリンク(3包分)をプレゼントする。両商品共に、帝国ホテル内ショップ「ガルガンチュワ」の人気アイテムとのことだ。
「最安値の正規割引運賃を提供します」–エミレーツ航空、差額返金サービス
エミレーツ航空機体イメージ
エミレーツ航空は20日、同社のWEBサイト上にて航空券の予約および購入を行った顧客が、購入価格よりも安い同条件の運賃を別のWEBサイトで見つけた場合、その差額を返金する、「ベスト・プライス・ギャランティ」サービスを開始すると発表した。
同サービスは、同社日本語WEBサイトにて、2009年12月17日以降に購入した航空券が対象。購入した航空券と同条件の航空券がインターネット上でエミレーツWEBサイトでの購入価格より、2千円以上安く販売されている場合は、購入価格と第三者価格との差額を支払うという。
なお同サービスは、3月28日から就航予定となっている、エミレーツの成田発のインターネット販売運賃にも適用される。
鉄道トリビア (127) 「RAILWAYS」シリーズだけじゃない! 一畑電車と富山地鉄の共通点
「RAILWAYS」シリーズ第1弾の映画『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』の舞台は、島根県の一畑電車だった。3日に全国公開を迎えた第2弾『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』の舞台は富山地方鉄道だ。どちらも日本海側にある私鉄で、車窓風景や人情豊かな沿線だが、それ以外にも共通点がある。ヒントは路線の形状。その成り立ちもよく似ている。
一畑電車は電鉄出雲市~松江しんじ湖温泉間の北松江線と、川跡駅から出雲大社前駅を結ぶ大社線を運行。一方、富山地方鉄道は電鉄富山~宇奈月温泉間を結ぶ本線のほか、立山線(寺田~立山間)、不二越・上滝線(稲荷町~岩峅寺間)、路面電車の富山市内軌道線を運行している。
一畑電車のデハニ50形
富山地方鉄道の16010形
一畑電車と富山地方鉄道に共通する鉄道施設とは何か? それは”平地のスイッチバック駅”だ。一畑電車北松江線の一畑口駅と、富山地鉄本線の上市駅がスイッチバックの構造になっている。
スイッチバックというと、箱根登山鉄道や豊肥本線の立野駅、肥薩線の大畑駅・真幸駅のように、山岳路線で線路の勾配を緩和するために作られる印象がある。ところが一畑口駅も上市駅も、山岳とはあまり関係のない場所にある。じつは両駅とも、もともとはふたつの路線が合流する駅だったが、合流した先の線路が廃止されたためにスイッチバック駅になってしまったのだ。
第2次大戦末期、ほぼ同時期に現在の形に
一畑電車の一畑口駅
一畑口駅の概要図
一畑電鉄は一畑薬師への参拝客を輸送する路線として、出雲今市駅(現在の電鉄出雲市駅)と一畑駅を結ぶ路線を建設した。一畑駅の開業は1915(大正4)年だ。
その後、1928(昭和3)年に、一畑のひとつ手前の小境灘駅(現在の一畑口駅)から分岐し、北松江駅(現在の松江しんじ湖温泉駅)へ向かう支線が開業した。ところが第2次大戦末期の1944(昭和19)年、小境灘~一畑間は不要不急路線に指定され、線路を撤去されてしまう。
富山地方鉄道の上市駅
上市駅の概要図
富山地方鉄道の上市駅は、同社の前身である富山電気鉄道が、1931(昭和6)年に上市口駅として設置した。これとは別に、立山軽便鉄道(後の立山鉄道。1931年に富山電気鉄道に合併)の上市駅もあったというが、富山電気鉄道の路線が開通した後、廃止されている。
富山電気鉄道は同時期に滑川方面への路線も開業させており、ふたつの線路は上市口駅で合流し、約600m先の上市駅へ達した。しかし、上市口~上市間も1943(昭和18)年に廃止。上市口駅が上市駅に改称され、現在に至っている。
こうして一畑口駅も上市駅も、「本来はふたつの路線が合流する駅だったのに、その先の線路がなくなってしまった」ために、山岳路線でもないのにスイッチバック駅として残っているのだ。似たような例はJR石北本線の遠軽駅、富士急行の富士山駅(旧富士吉田駅)などでも見られる。
RAILWAYSトリビア : 富山市も映画に出資している
映画『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』(12月3日全国公開)では、富山地方鉄道の鉄道路線だけでなく、路面電車の富山市内軌道線も登場。滝島徹(三浦友和)の妻、佐和子(余貴美子)が利用しており、富山市の人々が日常的に路面電車を利用する様子がスクリーンに描かれる。
同作品では、ロケ地となった富山市が全面的にバックアップ。撮影に協力するだけではなく、なんと映画製作にも出資しているという。いままでにも自治体が補助金という形で映画を支援する例はあったが、自治体が正式に出資する形で製作委員会に参加するケースは非常に珍しいという。富山市は富山地方鉄道に市内電車を譲渡した経緯があり、富山ライトレールにも出資している。公共交通機関として鉄道を重視する富山市にとっても、この映画は重要な作品となっているようだ。
『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』
富山地方鉄道の運転士、滝島徹は1カ月後に定年を迎える。第2の人生を、自分を支えてくれた妻とのんびり過ごしたい。しかし、妻の佐和子も第2の人生を考えていた。結婚前に就いていた看護師の仕事を再開したい。初孫を2人で迎えてほしいと願う娘の心も届かず、夫婦の心はすれ違い、妻は家を出てしまう……。立山連峰を望む美しい街を舞台に、夫婦が迎えた人生の分岐点を描く。
出演 : 三浦友和、余貴美子、小池栄子、中尾明慶、吉行和子ほか
ところで、もし「RAILWAYS」シリーズの第3弾が製作されるとしたら、今度はどの鉄道が選ばれるのだろうか? 一畑電車や富山地鉄との共通点もあるかもしれない。同シリーズへの楽しみは尽きない。
「はじめは女の子目当てだった」
1月16日、都立中央図書館で、コラムニストの泉麻人さんによる講演会が開催された。「『東京』散歩学~東京の魅力を探る~」と題された今回の講演会には、定員をはるかに上回るおよそ740人の応募があり、当初100名を予定していた定員は150名に増員。抽選で選ばれた参加者は若い世代から熟年層までと幅広く、スライドを使いながらユニークな視点で東京の風景を語る泉さんの話に聞き入っていた。
都立中央図書館を訪ねたのは女の子目当て?
「高校生のとき、東京女学館のかわいい女の子が来るというので、この図書館を訪ねたことがありますね」。都立中央図書館の思い出(?)を、そう語り始めた泉さん。都立中央図書館が開館したのは1973(昭和48)年、泉さんは高校2年生だったという。
2005年には、気象予報士の資格を取得した泉さん。活動の幅をさらに広げている
泉さんは、1956(昭和31)年東京生まれ。慶應義塾大学商学部を卒業後、東京ニュース通信社に入社し、週刊『TVガイド』などの編集者を経て、フリーコラムニストになった。『東京23区物語』『東京検定』など数多くの書籍を著し、独特な切り口で東京を語ってきた泉さんは、「街歩き」の先駆者的存在。新聞、雑誌での執筆だけでなく、テレビなどでのコメンテーターとしても活躍してきた。ある世代にとっては、『テレビ探偵団』の「わたしだけが知っている」が強烈に記憶されているはず。
都立中央図書館のある広尾近辺は、昭和40年代初め、いとこが近くに住んでいたため訪ねたことがあったという泉さん。ミンミンゼミの鳴き声と、道路の横を走る田舎のローカル電車を思わせる都電が印象に残っていると思い出を語った。
少年時代は「バスマニア」だった??
下落合(現、中落合)出身の泉さん。子どもの頃から地図が好きで、近所を走っていたバス路線にも興味を持っていた。バスに乗ると停留所を書き出すことに熱中したという。自転車に乗れるようになると、バス路線の「研究」にも出かけた。
スライドに映し出されるのは、何気ないけれど、よく見ると味わい深かったり、おもしろかったりするものばかり
地方や海外などへ旅行したときなども、「名所だけではなく、ホテルのまわりをこまめに歩くとおもしろいですね」と泉さん。「そのエリアが自分のものになった感じがして、名所よりも旅の印象に残ることもあります」
「そのうち自分なりのバス路線をつくっていくわけです。自転車をバスに見立てて。で、山崎さんの家があったら『山崎台』とか、原っぱの近くは『野原町』などと停留所を考えて、遊びに行くときとかは停留所にちょっと止まって(運転手風に)『山崎台~』って言ってみたり……。もちろん、ひとりのときだけの楽しみですけど」
その後、小学校の高学年には、中学受験のため進学教室に通うようになった。教室は茗荷谷の拓殖大学で開かれていたので、地下鉄に乗って教室に行き、趣味の切手集めのために中央郵便局や逓信総合博物館、そして交通博物館、神保町を巡るのが定番のコースとなったという。古本屋が好きで、半ズボン姿で神田を歩いていたというから、少しマセた小学生だったようだ。
「ちゃんぽん」が人気の飲み物だった店
スライドを使った講演は、その神田界隈から始まった。有名な「ミルクホール」のレトロな建物が映し出される。牛乳を販売する「ミルクホール」は、明治40年代頃から流行し、あちらこちらに点在していた。牛乳はいわば当時のトレンド。その後、女給をウリにする店も登場する。
「ちゃんぽん」が人気だったという桃乳舎。建物もじっくり眺めたくなる趣がある
喫茶店探訪シリーズも手がけたことのある泉さんは、日本橋小網町にある「桃乳舎」を紹介した。人形町のはずれで牛乳を販売してきた店で、「昭和30年代からは『ちゃんぽん』が人気だったそうです。これは何かと言うと、ミルクコーヒーなんですね」。
北千住にある「ムービー」という喫茶店は、映画のタイトルを店名にしていたがクレームがついて今の店名になったというウワサがあった。ところが実際は、映画館の中の喫茶店で働いていた店主が、そのイメージでつけた名前だと判明した。喫茶店ひとつを取り上げても、いろいろな歴史話やエピソードが出てくるものだ。
ドラマの舞台を歩いてみる
街歩きでは、映画やドラマの舞台を歩いてみるのもおもしろいと泉さん。佃島を例に挙げたが、隅田川を挟んだ対岸の湊は『吹けよ春風』(1953年)に登場する場所として印象に残っていると話した。これは谷口千吉と黒澤明が脚本、谷口千吉が監督の作品。主人公の三船敏郎がタクシーの運転手で、当時の東京が描かれている。「いわば日本版『タクシードライバー』ですかね」。
北千住を訪ねたときは必ずチェックするという駅前通りの大橋眼科。城館のような洋風建築が印象的だ
それから佃島が舞台なのが、テレビドラマの『パパと呼ばないで』(1972~73)。「(主人公の)石立鉄男の『だめじゃないか、チー坊』というモノマネで有名なドラマですね」。ちなみに「チー坊」が杉田かおるということを知らない人、このモノマネがまったくわからない若い方は、ぜひ検索を。最近はDVDのレンタルもされている。
「ドラマの舞台を推理して歩くのも楽しいものです」。泉さんはそんな街歩きも提案した。
マニアックな「銀座、ビルの狭間歩き」
泉さん独特の散歩法として挙げられたのは、銀座のビルの間を歩く、というもの。「広い表通りを歩くのももちろん好きですが、ビルの間には小さなお稲荷さんがあって、それを訪ねてみるのもいいですね。『ビル狭間歩き』というマニアックな楽しみ方です」。
銀座とは思えないシネパトスの佇まい。「銀座のブラックホール的な場所」と泉さん
佃島にある駄菓子屋に集まる子どもたち。今も、懐かしい昭和の風景がそのまま残っている
スライドには狭い路地の入り口に「豊岩稲荷」の碑が。本当にこの奥にお稲荷さんがあるのか、と疑ってしまうほどの場所だ。銀座の知らなかった一面が、こんなところにさりげなくあったことに会場からも笑い声や驚いたような声が聞こえてくる。
銀座7丁目にある豊岩稲荷の碑。銀座の路地巡りは、知る人ぞ知る究極の街歩きだ
その後も青梅や八王子などの多摩地方、そして都立中央図書館近辺の港区など、街歩きの話は尽きることがないまま時間となった。泉さんの話は何時間でも聞いていたいと思えたが、それは参加者も同じことだっただろう。泉さんの目を通した東京の魅力は、数多くの泉さんの著書で続きを楽しむことにした。
青梅はレトロな看板を町中に掲げていることでも知られている。赤塚不二夫会館も大人気のスポット
八王子の甲州街道沿いにも古い建物が点在している。週末などにゆっくり散策してみてはいかが