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高速トリビア (25) 危険すぎる疾走~「逆走」は絶対ダメ!!
高速道路での逆走
指定された方向にしか進めない高速道路では、誤って逆走してしまうと、そのほとんどが高速で正面衝突するため、第三者を巻き込んで死傷者の出る悲惨な事故につながりかねません。
逆走事故はIC、SA、PAでの発生が多く、特にICでは連結が複雑になるほど発生しやすいという結果が出ています。
逆走車両が衝突事故を起こす場合、事故を起こした位置の81%が追越車線を走行している傾向が見られます。逆走中の車両にとっては、左側(走行車線)を走っている感覚です。
逆走車両が衝突事故を起こした位置(平成18年~22年) NEXCO調べ
逆走の起きやすい場所とは?
高速道路においては、出入口と合流部付近で発生しやすく、逆走に多いパターンは以下の5つです。
本来降りるべきだった目的の出口を通過してしまい、合流部の入口から出ようとして逆走で進入する
行き先を間違えて高速道路に入り、合流部入口でUターンして本線を逆走する
目的の出口を間違え、Uターンして本線を逆走する
目的の出口を間違え、出口へ向けて流出ランプ(高さの違う道路を連結するための車道)に乗ってからUターンして逆走する
料金所を通過した後、入口と出口を間違えて出口方向へ逆走する
その他に、SAやPAで休憩した後、高速道路本線へ戻る際に逆方向へ走行してしまうケースがあります。
気をつけて! 合流部分は逆走の多発ポイント!?
逆走はなぜ起きる?
逆走が発生しやすい場所を見て分かるように、主な原因は本線車道上のUターンと流出ランプからの誤進入です。これはドライバーがICからランプ途中の分岐地点で行き先を間違えてUターンしたり、目的のICの流出ランプを通り過ぎてUターンしてしまうことが要因とされています。さらに、首都高速道路などの都市高速道路の一部のランプにおいては、走行速度の高い右側車線から合流・分離する構造も遠因の一つとされています。
そしてドライバーに多いのが高齢者で、大半の原因は認知症が占めます。また、国内で高速道路ができる以前に自動車運転免許を取得したために、高速道路の存在を知らずに誤って侵入してしまい、結果として逆走した例も過去に起こっています。
逆走は頻繁に起こっている
高速道路を逆走する過ちなんて滅多に起こらないことだと思っていませんか。実は意外と多いのです。NEXCO東日本調べによると、平成18年から平成22年までのあいだ、年間300件前後で推移しています。
NEXCO東日本の高速道路での逆走の発生状況
全国的な統計でも、逆走件数は2002年~2008年までの7年間で7000件以上が確認されており、連日のように全国で逆走事故が発生しています。
高速トリビア (23) 高速道路の凍結、どうやって防止してるの?
冬になると、高速道路上に「白い物体」が撒いてあることがあります。
この正体は「凍結防止剤」の塩化ナトリウムです。高速道路では雪が路面に積もると除雪を行うほかに、路面が凍結するのを防ぐため、「凍結防止剤」を撒きます。
「塩」が路面の凍結を防ぐ
道路に凍結防止剤として塩を撒くのは、路面上の水分が凍って氷で覆われた状態になるアイスバーンや、降り積もった雪を車両が踏むことで氷の層が形成される圧雪アイスバーンを解消するためです。
凍結防止剤のほとんどは、塩化ナトリウムや塩化カルシウムです。
小学校の理科の時間で『試験管に入れた真水は0℃で凍るのに、食塩を入れたら0℃では凍らない』という実験があったのをご記憶の方もいらっしゃるでしょう。
これは塩水を作ることによって凍結開始温度を下げる、いわゆる凝固点降下を起こし、氷を水の状態にするという原理です。よって、0度より低い温度でも凍らなくなります。
凍結を防ぐ「白い粉」の正体は塩化ナトリウム
また、塩化ナトリウムや塩化カルシウムが溶けるときに熱を発生するため、その周りを溶かすこともできるのです。道路脇や橋のたもとに袋が設置されている場合もあり、各自で散布することもあります。
ただし、塩化ナトリウムや塩化カルシウムは金属を錆びさせる力や環境への影響もあるため、有機系の凍結防止剤など代用品も出てきています。
凍結防止剤の散布の他にも、アイスバーンなどを解消するため、砂や砕石といった滑り止め材を散布したり、除雪後のツルツルした路面に傷をつけてタイヤの摩擦抵抗を高めることも行われています。
雪が無いのに何故撒くのか?
路面の凍結を防ぐ凍結防止剤の散布は、通常はこれから雪が降ると予測されていたり、既に降った雪が解けて、路面に残った水分が気温の低下で凍ってしまうような場合で行います。
また、気温低下に伴って霜が降りる場合にも、路面がぬれて凍ってしまうことがあるので、凍結防止剤を撒くことがあります。
路面に雪が無いのに凍結防止剤を撒くのはそのためです。
作業中の凍結防止剤散布車
散布の判断は、聞き慣れない「路温」がポイント
高速道路の除雪や凍結防止剤の散布は、気象予測と道路巡回による現場確認に基づいて作業の実施を判断します。気象予測では、気温や降水確率、降水量の他に、一般には耳慣れない「路温」と呼ばれる路面の温度予測なども使って効率的な作業を行うようにしています。
雪が降ることは止められませんが、路面が凍るのを防ぐことはできます。冬季の路面凍結防止と安全性向上のため、地道な作業が続けられています。